病名を告知するかどうか、手術の成功率を告げるかどうかなど、医療現場では難しい判断が多くあります。各症例ごとに対応は異なるでしょうし、告知が患者さんにどういう影響を与えるかは、その方の生き方や価値観にもよるので、簡単に「告知すべき」か「告知すべきでない」と結論づけられないと考えています。
先日、テレビで拝見した、とあるお寺の住職さんのことばがとても印象的でした。「死はみんなにやってきます。できればその瞬間まで心の平和を保ちたいものです。」この言葉を聞いて、告知についてもヒントを与えてもらったような気がしました。「告知された」患者が、その事実を受け止めて(あるいは乗り越えて)、心の平静を保つことができるか、また心の平静を保つサポートが患者の周りに整っているかどうかが重要ではないでしょうか。患者の心が不安に駆り立てられたまま、医療不信に陥ってしまう状況であれば、告知はしない選択もあるのではないかと思っています。
時代の流れは、欧米に続いて告知を「する」方向に向きはじめています。もしこの流れが続くのであれば、我々は、告知された患者の心のケアにも責任を持つべきではないでしょうか。
告知については、(希望に反して告知を受けた/受けなかった)患者さんたちの経験談や、サポートにあたったご家族の考えをもっと多く拝聴し、私たちはどうしたいか考えていく必要性があるように思えています。
機会をあらためて、告知に関する私自身の経験もご紹介できたらと思っています。